一般社団法人 国際調音・整音協会 事業概要

研究・開発事業

~人々の生活の身近な環境を対象とした調音・整音の可能性を探求し続け、その成果を会員で共有していきます~

 クラシック演奏などを行うコンサートホールなどには音を反射させる反響板が設置されていて、オーケストラの規模や演奏される楽器の種類などによってホールにおける音の広がりを調整しています。一方で、図書館などでは話し声などが反響しないように音を吸収する吸音板が設置されていることがあります。シェアオフィスなど公共的なスペースでは電話で会話をするためのブースが設置されていますが、それらは防音の観点での遮音、吸音設備になっているものが殆どです。

 音とは意外に厄介なもので、人を快適にも不快にもしてしまう可能性があり、それなりに気を遣わなければならないものですが、ちょっと工夫をすることで大きな価値を生み出すかもしれません。音の持つ特性を調べ、音量、音質、音程、あるいは音を聞くための環境を調整することによって、よりよい音の環境を創造することを「調音・整音」と考えます。

 「調音・整音」の手法の研究や開発を、多くの企業、団体と一緒になって可能性を追求して参ります。

啓発事業

~調音・整音の知識と実践方法を修得したサウンドソムリエの育成を通じて、生活の豊かさに貢献してきます~ 

 音を聞くことに課題を持つ人々が、その課題を解決するために、音が伝達する環境を改善することが有効であることが確認されています。しかし、どのように音環境を改善すれば良いのかは一般化されていません。音を知り、課題によってどのように環境を整えれば効果があるのか。また、よりよい生活を実現するために有効な音環境創りには何が必要なのかを理解することが大切です。

 サウンドソムリエ検定は「音環境」を改善するために必要な知識や機材や設置方法などを、講座と実験を通して学び一定のスキルを身につけた方々を認定する資格です。「音」の仕組みや調音・整音に興味のある方など、どなたでも受験いただけます。

 音の基礎知識講座としてのベーシック、「調音・整音」に関する認定資格としてのサウンドソムリエ検定シニアを準備しています。サウンドソムリエ検定シニアの認定資格保有者向けとして、各ジャンルに分けたマスターコースも計画しており、建築やオーディオ、福祉施設などで成果を生み出す技術を身につけていただくことを目標としています。仕事にも活かせる「音環境」を創造するスキルアップへの挑戦をお待ちしております。

~詳細が決まり次第、お知らせをいたします~  

ユニバーサルデザインの実現にむけて

 ~高齢による聴力の低下や過敏な聴覚によって、日常生活に支障をきたしている方、学びに遅れが出てしまっている児童の施設などを主な対象として調音・整音を提供、誰もが公平な音環境を享受できる世界の実現を目指します。~

 難聴になるとテレビは大音量になり、周りへの影響が少なくありません。「音」の乱反射を抑え、耳へ音が届きやすい環境を整備することで適正な音量で聞き取ることができるようになり、会話なども大声を出さなくても聴きやすくすることができます。高齢者施設の交流スペースなどで「調音・整音」された環境を提供することはコミュニケーションが生まれ、豊かな生活を送ることができるでしょう。
 

 聴覚過敏などで落ち着いて生活することが難しいお子さんへ、調音された環境を提供することは、精神的に安定し多動などを抑える効果があることが確認されています。不安定な症状が出てしまったお子さんに調音を施したボックスに入っていただくことで短時間で落ち着きを取り戻し、危険を回避する結果に結びつく実証が報告されています。

 福祉施設や公民館をはじめとする様々な公共施設などに「音環境」の改善を提案し、資材や技術を提供することで課題を解決して、施設での暮らしや活動をよりよいものにしていく、「音環境」のユニバーサルデザインの実現に取り組んで参ります。