2025年1月に茨城県土浦市の土浦特別支援学校に提供いたしましたカームダウンボックスにつきまして、教職員の皆さまよりご利用レポートをいただきましたので一部ご報告させていただきます。
茨城県立土浦特別支援学校には、音に敏感な児童生徒が複数在籍しており、環境調整のひとつになると考え、カームダウンボックスの無償貸与にお問い合わせをいただきました。
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◆ 教職員の皆さまが実際に試してみて
- 「自分ひとりの空間と感じられ、安心できた」
- 「簡易的に設置出来て良い」
- 「ルールを作って校内で周知して活用すると良い」
- 「扉があるとより静かな空間で落ち着ける場所になるのではないか」
- 「暗くて閉鎖的に感じるのでもう少し広さがあると良い」
などの意見をいただきました。
また、特に印象的だったのは、「入口に布をかけることで視界が遮られ、安心感が増した」という工夫です。これは学校独自の対応だったとのことですが、環境に合わせた小さな配慮が、使用感に大きな影響を与えていることが伺えました。
◆ 子どもたちの反応と変化
担任の先生方からは、
- 「気持ちが不安定なとき、自らボックスに入り静かに過ごしていた」
- 「音に敏感な生徒が落ち着いて過ごせていた」
- 「気を引く行動をしがちな生徒が、よく中に入っていた」
といった具体的なエピソードが寄せられました。
また、「普段はあまり活動的でない生徒も興味を持って入っていた」「複数回利用する子がいたことから、良さを感じてくれたのでは」という声もあり、子どもたちにとって新しい安心のかたちとして機能している様子が伝わってきました。
◆ 今後の課題
より広い年齢層への対応として、「身長180cmの生徒には少々狭い」といった意見や、「もっと高いと良い」「のぞき穴があると安心」といった要望が挙がりました。
また、強度や遮光性への懸念、天面が外れやすいといった改善点も現場ならではの貴重なご指摘です。
普及に向けては「設置場所の確保」「使用したいときに使える可搬性」「価格帯や認知度の向上」といった多面的な視点が必要とされていることがわかりました。
今後もカームダウンボックスの提供を通じて、音環境のユニバーサルデザインの実現に向け、地道に活動を推進して参ります。
一般社団法人国際調音・整音協会(ISAAA)は、活動を支援して下さる賛助会員様を募集しております。皆様の志をお待ち申し上げます。